絶縁体とは?用途と種類・4つの注意点を徹底解説

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絶縁体とは?用途と種類・4つの注意点を徹底解説

絶縁体は電線の被覆やコンセントなど、身近な必需品に取り入れられています。
感電防止に欠かせない素材ですが、絶縁体のメカニズムはあまり知られていません。

本記事では、絶縁体の用途や種類、メカニズムについて解説しています。
加えて、絶縁体を扱ううえでの注意点を4つ解説しています。
ぜひ、最後まで読んでいただき、電気・絶縁体への幅広い知識を身につけましょう。

絶縁体とは?用途と種類・4つの注意点を徹底解説

絶縁体とは電気を通さない・もしくは通しにくい物質

絶縁体とは、電気を通さない、または通しにくい性質を持った素材です。
電気を通す導体に対し「不導体」「不良導体」と呼ばれるケースもあります。

電気の通り方は、物質がどれだけ電気を通しやすいかによって決まります。

電気の通しやすさ(自由電子の数)を数値で表したものが電気抵抗値です。
絶縁体は自由電子が少なく抵抗値が高いため、電気が流れにくくなっています。
この性質を利用して、電気回路や機器の保護や制御に役立てられます。

絶縁体の用途と具体的な物質例

具体的な物質の例としては、以下の2点があります。

・電気製品の感電防止に使うプラスチックやビニール
・高圧線の絶縁に使う碍子(がいし)

それぞれの用途と特徴を解説します。

電気コードの絶縁に使うプラスチックやビニール

絶縁体は、通電している箇所に触れて感電しないために用います。
そのため、電気コードに欠かせない素材として重視されています。

電線コードの被膜に用いるのは、プラスチックの一種であるポリエチレンです。

表面硬度が強い点が長所で、-20度までの耐寒・防水性を有しています。
電線コードの被膜としては、理想的な素材といえるでしょう。

その他、電線の接続部に巻かれるビニールテープ、ゴム手袋・皮手袋、ガラス・木なども絶縁体として使われています。

高圧線の絶縁に使う碍子(がいし)

機械的な強度が必要な場合には、絶縁体として碍子(がいし)が用いられます。
碍子とはセラミックの一種で、電線の固定に用いられている絶縁体です。
送電鉄塔や電車のパンタグラフなどで、主に使用されています。

電力会社の送電線は数十万ボルトの高い電圧が流れています。
そのため、人体への影響や作業安全面を考えると、ポリエチレンやビニールによる絶縁では不十分です。
地表から距離を取りつつ、電線同士の間隔を広げなければなりません。
これにより、空気による断熱も利用して絶縁を施します。

絶縁体の扱いとは?注意したい4つのPOINT

絶縁体を扱う場合には、下記4つの注意が必要です、

1.絶縁耐性を超えた絶縁破壊
2.高電圧線には触れない・近づかない
3.帯電による静電気
4.漏電と電磁波

それぞれについて解説します、

1.絶縁耐性を超えた絶縁破壊に注意

絶縁耐性を超える電圧や電流がかかると「絶縁破壊」に至ります。
絶縁破壊は電気機器の故障や火災などの事故の原因となります。

絶縁破壊の代表的な原因として挙げられるのが「雷」です。

雷は雲の中の静電気が高電圧になり、絶縁体である空気の絶縁耐性を超えて発生します。

ほかにも、「経年劣化」や「作業中のミス」、化学薬品や油などが原因で起こる「科学的劣化」も要因となり得ます。
設計段階で適切な絶縁体を選定、使用時には定期的な点検や清掃など、対策を講じておきましょう。

2.高電圧線には触れない・近づかないよう注意

電力会社の送電線は、数十万ボルトもの極めて高い電圧が流れています。
そのため、ケーブル被膜だけでは、絶縁対策として不十分です。

高圧電線は、地上から離れた鉄塔や、電柱の上部に設置するのが一般的な運用です。

さらに電線同士にも距離を持たせ、空気も絶縁体として利用しています。
高圧電線は、触れるだけではなく、近づくだけでも危険なので注意しましょう。

3.帯電による静電気に注意

帯電による静電気には注意が必要です。
静電気は、絶縁体に電気がたまり、平衡状態でない場合に発生します。
プラスとマイナスの電荷がどちらかに偏る原因は、絶縁体同士の摩擦や剥離です。

帯電した絶縁体に触れると、電荷のバランスを取り戻そうとする自然の力により、電子の放出や流入が生じ、感電状態となります。
火花が発生するケースもあるので注意が必要です。

4.漏電と電磁波に注意

絶縁体が劣化・破損してしまうと漏電の危険性が高まります。
上記は、いかに優れた電気製品でも経年により避けられない現象です。
火災や感電を防ぐためにも適度なチェック・メンテナンスが必要です。

また、高電圧製品の電磁波にも注意してください。
電気製品が増え、便利になった反面、電磁波の影響ではないかと思われる健康被害が増加しています。
念のためアース線をしっかり接続し、電磁波対策グッズの携帯などの対策も考慮しましょう。

絶縁体の扱いに関する疑問点とは?FAQを紹介

電気製品に囲まれながらも、快適に暮らせるのは絶縁体のおかげです。
しかしながら、絶縁破壊や静電気などのリスクもあり、絶縁体に対してわからない点も多くあります。

以下では、絶縁体に関するFAQへの回答を紹介します。

絶縁体はなぜ電気を通さないのか

絶縁体は、電気を通す自由電子がない、もしくは少ないため電気を通しません。
自由電子とは、物質内を自由に動ける電子です。

あらゆる物質は原子から成り、原子には原子核と電子が存在します。

この原子核と電子の結合が強い物質が絶縁体です。
電子は自由に動き回れず原子核のまわりのみを移動します。

したがって自由電子のない、もしくは少ない絶縁体は通電しません。

絶縁体と似て非なる誘電体とは

誘電体は誘電分極によって、電気をためたり見かけ上の電気抵抗になったりできる近未来的素材です。
誘電分極とは、絶縁体の帯電により、分子レベルでプラスとマイナスに整列する現象を指します。

誘電体は絶縁体の一種であり、直流の電気は通しません。

しかし、交流においては周波数に応じた電気抵抗を持ちます。
これは交流電流が誘電体内部で誘電分極を引き起こすためです。

上記から、誘電体は電子機器や半導体素子のゲート絶縁に用いられ、次世代の材料として活躍が期待されています。

まとめ

絶縁体は基本的に電気を通さない物質です。
しかしながら、絶縁耐性を超えると、絶縁破壊を引き起こす可能性があります。
また、静電気による感電や電磁波の影響を受けての健康被害も懸念材料です。

身近な家電製品のアース線接続はもちろん、被膜の劣化状況の把握も必要です。

対策グッズの購入も検討して、万全を期してください。

電気は目に見えないため、トラブルの際は慎重な対応が求められます。
電気のトラブルは軽視せず、絶縁体の知識も豊富な業者に依頼しましょう。

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