チラーの電力を省エネ化したい!その方法は?
チラーの電力をできるだけ抑えたい、省エネ化できないか?
このことは工場などでは大きな課題となっています。
チラーは、そのほとんどが冷却装置として使われており、中には保温装置としても使うケースがありますが、工場などの大きな場所では、温度を一定に保つことが最優先となります。
チラーの活躍は欠かせないのですが、毎日継続して稼働しているものですから、少しでも費用を抑えるための省エネ化は必須項目ともいえるでしょう。
ここでは、チラーの電力を省エネ化する方法をいくつか紹介します。
チラーは電力がかかる?
工場などの大きな場所の温度を一定にするのは、チラーが活躍しているわけですし、夏場の温度が高い時期はそれを低くするためにフル稼働させなければなりません。
温度が低い時期というのは、工場で稼働している機械の熱などが作用して、比較的チラーの電力も抑えられるのですが、難しいのは夏場で、この時期はどうしても電力がかかるということになってしまうのです。
このチラーにかかる電力を、どう省エネ化するかが、ポイントとなるでしょう。
チラーを新しくすれば省エネ化は確実だが
チラーの省エネ化の一つとして、新しいものと取り換えるという方法があります。
最新のチラーは、年間消費電力を抑えたものとなっており、気温が低い時には外気を取り入れて温度調節をするという、省エネに特化した商品もあります。
こうした最新式チラーに変えれば、かなりの省エネ化が期待できるでしょう。
ですが、チラーはそう簡単に取り換えられる設備ではないのも事実です。
高いコストと、入れ替え時の手間を考えると、そう簡単なことではありません。
既設しているチラーの寿命が近づいているのであれば交換も可能ですが、まだ寿命が見込めるものに関しては、交換ではなく既存のチラーの消費電力を節約する方法を考えるのが無難です。
チラーの省エネ化する方法
では、ここからは、既設のチラーの省エネ化する方法をお話ししましょう。
循環水の設定温度を調整する
チラーの省エネ化を考えた時に、比較的取り組みやすいのがこの方法です。
チラーのエネルギー消費効率を上げるには、循環水の入口と出口の温度差をいかに少なくするかがポイントで、使用状況に応じた温度設定を見直すことが有効です。
設定温度を変更しただけでチラーの電力が抑えられたという報告も多いので、試してみる価値はあるといえます。
ただ、気を付けなければならないのが、ただ単に温度設定を変更すればよいわけではないということです。
チラーの制御能力をしっかりと把握したうえで行うことが基本となっています。
勝手に温度設定を変えてしまうと、チラーに負荷がかかりすぎて余計に電力がかかる可能性もあるので、場合によってはメーカーにあらかじめ相談することがおすすめです。
循環水の流量を調節する
チラーの初期設定時の流量数値は、一般的にピーク時を想定して余裕を持たせた流量になっています。
その流量が適していれば問題はないのですが、消費電力が予想以上にかかっている場合には、流量の見直しをして調整してみましょう。
流量設定が適切に行われていないと、ポンプ動力の負荷が大きくなって、チラーの働きが悪くなります。
設定温度に対する冷却効果があまり得られない割に電力がかかっているという時には、設定値よりも実際の流量が多くなっているという可能性もあるでしょう。
面倒でもメンテナンスを!
チラーの省エネ化には細かなメンテナンスが欠かせません。
もちろんこれはチラーに限ったことではありませんが、メンテナンスはチラーの省エネ化の基本ともいえるのです。
チラーの不具合があった時に点検をすればいいと思うかもしれませんが、汚れがたまる・部品が老朽化するという事態は、早い段階で手を打てば大ごとになりません。
また、チラーの点検やメンテナンスは、フロン類が漏れないように法律で決められています。
万が一メンテナンスをせずに事故が起こった場合には、法律違反ということにもなるのです。汚れや部品の老朽化は、チラーの稼働に大きな負担をかけることになります。
結果として、チラーの動きが悪く、必要以上に電力を使っているという悪循環にもなってしまうでしょう。
チラーなど設備の更新は、コストが高くなるだけでなく交換の時間や手間もかかってしまいます。
ですが細かな点検やメンテナンスが、チラー自体の寿命を延ばし、長い目で見ればコストの削減にもつながるのです。
手をかければかけただけ、チラーは活躍してくれることでしょう。
まとめ
チラーの省エネ化は、多くの工場で課題となっているはずです。
今回の記事で紹介したような循環水の温度設定や流量の設定を見直すことはとても大切ですが、難しい場合には制御システムの導入という方法も選択肢の一つです。
既設チラーの力を最大限に発揮させ、省エネ化につなげるには、普段からの状況をいかに把握し、些細な変化に早急に対応することが重要といえますね。