フート弁とチャッキ弁の違いは何?特徴や仕組みの違いを解説

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フート弁とチャッキ弁の違いは何?特徴や仕組みの違いを解説

フート弁とチャッキ弁は、どちらも逆流防止のためのバルブです。
働きとしては同じですが、使用する場所に違いがあります。
ここではフート弁とチャッキ弁の違いをはじめ、その特徴や仕組みについて解説します。

フート弁とチャッキ弁の違いは何?特徴や仕組みの違いを解説

正流と逆流

配管の中を流れる液体や気体のことを「流体」といいます。
通常流体は入口から入り、出口に向かって流れていきます。
この入口から出口に向かって流れることを「正流」といいます。
それに対し、出口から入口に向かって逆に流れてしまう場合があります。
正流に対して逆に流れていくため、このような流れ方を「逆流」といいます。
装置によっては、逆流が起こってしまうと壊れてしまう危険性が出てきます。
そのため、逆流を防止するための機構が必要になります。

フート弁とチャッキ弁

フート弁とチャッキ弁の大きな違いは、配管のどこに設置するかの違いです。
逆流を防止する目的で、流体の入口となる末端部分に設置するバルブを「フート弁」といいます。
流体が流れる配管の途中に、逆流を防止する目的で設置するバルブのことを「チャッキ弁」といいます。

フート弁の特徴と仕組み

フート弁を英語で表記すると「Foot Valve」となります。
Footというのは「末端」という意味で、Valveは「弁」です。
まさに、配管の末端に設置する弁であることが、その名前からも分かります。
フートバルブは流体を吸い込ませるためのポンプが停止すると、自動的に弁を閉じ流体が逆流しないようにせき止めます。

ポンプ内部に空気が入り込まないようにするための装置

フート弁は、通常、液体を吸い上げるポンプの内部に空気が入り込まないようにするために設置します。
ポンプは、内部が液体で満たされていることで、正常に作動します。
ポンプが水面より高い位置にあると、ポンプを止めたときにポンプ内の液体が水面の高さまで下がる「落水」という現象が発生します。
落水すると、ポンプ内部に空気が入り込んでしまいます。
一度落水してしまうと、次にポンプを作動させるときにはポンプ内部に液体を満たした状態に戻さなければなりません。
この作業を省くとポンプが空回りしてしまうため、故障の原因となるのです。
水面より高い位置にポンプを設置しても、落水を起こさせないために考案されたのが、フート弁です。
ポンプから水面へと液体が逆流するのを防ぐ目的で設置するのです。

末端フート弁と地上設置型フート弁

フートバルブは配管の末端に設置するのが一般的ですが、落水が防げれば配管の途中に設置するケースもあります。
設置する場所の違いにより、フート弁は「末端フート弁」と「地上設置型フ―ト弁」とに分けられます。

末端フート弁

末端フート弁は、文字通り配管の末端に設置するもので、常に液体の中に設置されます。
液体を吸い込むときに、異物が配管内に入り込まないように、ストレーナーを取り付けて使用するのが特徴的な部分です。
構造は筒状になった本体の中に弁を持っています。
ポンプが作動すると正流が発生し、弁が上がり液体を吸い込みます。
ポンプが止まると、逆流しようとする液体に押される形で弁が閉じる仕組みになっています。
構造自体が単純で、比較的安価な素材で作られるものが多くなっています。
常に水没しているため腐食しやすいことや、メンテナンス時には水中から引き上げる必要があるといったデメリットもあります。

地上設置型フート弁

腐食のしやすさやメンテナンスの手間などの課題を解決するために開発されたのが、地上設置型フート弁です。
配管の角に組み込むタイプと、配管に直接組み込むタイプがあります。
フート弁の内部にはスプリングがあり、その反発力を利用して弁を閉じる構造となっています。
スプリングの反発力よりも強い力で流体が流れているときには弁が開き、スプリングの反発力より流れが弱まると弁が閉まります。

チャッキ弁の特徴と仕組み

チャッキ弁は「逆止弁」とも呼ばれます。
正流のときには弁が常に開きますが、逆流が発生すると弁が閉じるため逆流が止まります。
ただ逆流の勢いが弱いと、弁が確実に閉まらない場合もあります。

5種類のチャッキ弁

チャッキ弁は、構造や使用目的によって5種類に分けられます。
それぞれの特徴を解説します。

スイング式

蝶番で開閉するタイプのチャッキ弁で、主にポンプへの逆流を防止する目的で設置します。
耐久性に欠けるため、開閉頻度が多い場合は避けた方がよいでしょう。
ポンプの吸い込み水面から掃き出し水面までの距離が短い場合や、圧力が低い場合などに向いたチャッキ弁です。

ウィング式(ウエハー式)

2枚の半円状の弁が蝶番で繋がれ、コイルばねが取り付けられる構造となります。
正流が止まると、コイルばねの力で弁がスピーディーに閉じるため、逆流が防げます。
ただしコイルばねを使っているため、耐久性がやや低いというデメリットがあります。

ディスク式

円盤型の弁をスプリングコイルの力で開閉する構造です。
正流が止まると、スプリングコイルの力で弁をスピーディーに閉じるため、逆流が防げます。

ボール式

ゴム製のボールが弁となり、逆流が発生すると、その重さで移動し弁が閉じられます。
メンテナンスは簡単ですが、逆流を確実に止められない場合もあります。

リフト式

S字構造となったバルブ内に垂直に移動する弁が設置され、逆流が起こると自重で弁が落ち、逆流を止めます。
リフト式のチャッキ弁は水平に設置しなければなりませんので、上下方向の配管には使用できません。

まとめ

フート弁・チャッキ弁はいずれも、逆流を止めるためのバルブである点は共通です。
ですが、ポンプの落水を防止する目的を持ち、吸込口とポンプの間に設置するのが「フート弁」。
そして、配管の途中に設置し逆流を防止するのが「チャッキ弁」という違いがあります。
使用目的や設置場所、構造によって2種類のフート弁と、5種類のチャッキ弁があります。
どこにどのような目的で設置するのかを考え、選択する必要があります。

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