シリコングリスとは?特徴や種類別の注意点
パソコンや車、釣具などの修理に欠かせないアイテムの「シリコングリス」。
一度は、名前を聞いたことがある人もいるでしょう。
しかし、シリコングリスは普段あまり使わないため、特徴や使い方、塗り方を知らない人は多いのではないでしょうか。
今回は、知っておくと便利なシリコングリスの特徴などについて、詳しく紹介します。
シリコングリスとは?特徴を知ろう
シリコングリスとは、プラスチックやゴム製品を潤滑するアイテム。
他にも「シリコーングリース」「シリコングリース」などの呼び方があります。
シリコンオイルがグリス(液状潤滑油)になっているため、取り扱いやすく、幅広い用途で使えるのが特徴です。
その他にも、シリコングリスは下記のような特徴があります。
・使用温度が幅広い(商品により-50°~250°まで対応)
・熱で変色しにくい
・水に強い(耐水性)
・石油系グリスより酸化しにくい
・低温でも硬くなりにくい
シリコングリスは半個体で粘性が強いため「部品の細部に潤滑油が入ると困る」という場所にも使えます。
部品の外部から使えるので、メンテナンス性に優れているのが特徴的です。
シリコングリスの用途は?こんな時に大活躍!
シリコングリスの耐熱性・耐寒性や耐水性に優れた特徴から、使い方はたくさんあります。
例えば、パソコンが熱暴走して、よくフリーズするような状況の時。
パソコン構成に欠かせないパーツ・CPUの発熱を防ぐため、CPUクーラーを正しい場所に設置して隙間なく冷やすことで熱暴走を解消できます。
このCPUクーラーの隙間を埋める時にCPUグリスを使うのですが、シリコングリスも似たような特徴があるため、代用品として使えます。
他にも、釣具のリールにシリコングリスを塗ることで防錆対策ができます。
自転車やバイクのパーツで、水や泥が入ってはいけないベアリング部分などにも使用可能です。
シリコングリスの種類
シリコングリスは大きく分けると「半個体」「スプレー」と、2つの種類があります。
それぞれ特徴が違うため、使う前にチェックしておきましょう。
半個体 | スプレー | |
特徴 | ・滴下や飛散が少ない
・長期保存が可能 |
・仕上がりがフラット
・ベタつきがほぼない ・無色透明 |
性質 | ペースト状 | 液状~やや粘度 |
使用場所 | 広範囲 | 広範囲 |
半個体のシリコングリスは、耐熱・耐寒用シリコングリスもあり、こちらは低温や高温になりやすい場所に使用します。
例えば、車やバイクのギアやベアリングなどの潤滑に使用するケースが多いです。
シリコングリスのスプレータイプは、使用中に手が汚れる心配がなく、細部に塗布したい時もノズルで奥まった箇所に使えるのが特徴的です。
釣具・時計・カメラなど、細かい部分に使用するなら、スプレータイプが使いやすいでしょう。
シリコングリスの塗り方は?
シリコングリスのスプレータイプは、必要な箇所にノズルを向けて、適量をプシュッとするだけで完了です。
半個体(ペーストタイプ)のシリコングリスは、つけすぎると凹凸が出てしまうため、塗り方に気をつけなくてはいけません。
まず、必要量のシリコングリスをヘラで取り、使用箇所の中央に塗布します。
シリコングリスをヘラで均等に伸ばし広げていくのですが、使う場所によっては適量を塗布する箇所へ盛り、広げない方法もあります。
シリコングリスの塗り方は、使用目的に合わせて選べるので、半個体タイプとスプレータイプを使い分けるのもポイントです。
シリコングリスを使う時の注意点
1つあるだけで便利なシリコングリスですが、取り扱い方にいくつか注意点があります。
他の種類のグリスを混ぜない
シリコングリスではない種類のグリスを混ぜて使うと、特徴である耐熱性や耐水性などが失われることがあります。
種類によってグリスの特徴が違うので、用途に合わせて使い方を変えるようにしましょう。
異物混入に気をつける
シリコングリスの中でも、ペースト状の半個体タイプは保管方法に気をつけてください。
容器のフタを開けっ放しにしていると、砂やホコリといった異物が混入する可能性が高いです。
半個体タイプは粘度が強く異物を吸着しやすい特徴もあるため、シリコングリスに含まれる成分以外が混ざると、仕上がりや潤滑する時に異常をきたすことがあります。
加熱しないこと
シリコングリスは最大250°の耐熱性があるため、熱に強いのが特徴的です。
ただし、一定時間、加熱し続けると酸化が早まり、シリコングリスの効果が低下します。
シリコングリスが冷えても、酸化が弱まることはないので、加熱には十分注意しましょう。
まとめ
シリコングリスは、さまざまな修理に欠かせません。
初めてでも簡単に取り扱えますが、使い方や保管方法を間違ってしまうと機能が低下するなど、悪影響を与える可能性があります。
シリコングリスの使い方やトラブルが心配な人は、プロの専門家に相談することをおすすめします。