「排熱」とは?「廃熱」との違いや再利用の技術について解説

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「排熱」とは?「廃熱」との違いや再利用の技術について解説

「排熱」と「廃熱」の違いって何?
使い分けられている理由は?
このような疑問をお持ちではないですか?

排熱と廃熱は、ほぼ同じ意味を持ちますが、その違いは熱の利用方法です。
本記事では、排熱と廃熱の違いや活用方法が理解できるよう、以下の内容について解説していきます。

・排熱と廃熱の違い
・廃熱の活用方法
・なぜ廃熱の活用が勧められているのか

排熱と廃熱の違いを理解しつつ、日本ひいては世界の環境問題について理解していきましょう。

「排熱」とは?「廃熱」との違いや再利用の技術について解説

「排熱」とは?「廃熱」との違いも解説

「排熱」とは、何かしらの活動により排出される熱を指します。
具体例は以下のとおりです。

・工場を稼働させている際に発せられる熱
・地下鉄や、地下街の冷暖房から発生する熱
・ゴミ焼却場を稼働した際に発生する熱

ほかにも、さまざまな熱が排熱に分類されており、近年は排熱を利用したエネルギーの再利用が注目を集めています。

廃熱との違い|もう1度使えるエネルギー

排熱と似た言葉に「廃熱」があります。
明確な定義はありませんが、文脈としては次のような使い分けをされるケースが多いです。

排熱 再利用されずに廃棄される熱
廃熱 再生熱エネルギーとして利用される熱

とはいえ、どちらの意味として利用しても間違いではありません。

温度差熱とは|熱源がそもそも違う

エネルギーとして再利用される熱には「温度差熱」もあります。
温度差熱の具体例は以下のとおりです。

・海や湖の水深差によって発生する熱
・湖や沼と空気の温度差によって発生する熱
・雪どけによって発生する熱

このように、温度差熱は主に自然環境から発せられる熱源が対象となっています。

廃熱回収とは?

廃熱回収とは、前述で解説した「排熱・廃熱」を回収し、熱エネルギーとして再利用する行為を指します。

熱を再生エネルギーとして活用する機器が「廃熱ボイラー」です。
廃熱ボイラーは、工場などのプラントから出る熱を効率的に活用し、省エネルギーや公害防止に役立つと期待されています。

廃熱回収が推されている理由

近年、廃熱回収はエコの観点からとても注目を集めています。
なぜなら、廃熱回収によるエネルギーの再利用はCO2削減や地球温暖化の防止に効果があると期待されているためです。

近年、エネルギー排出による環境問題は日本を含め多くの国が直面する課題となっています。
その解決策として、産業に欠かせないプラントから出る熱の再利用が推されているのです。

廃熱回収のメリット

廃熱回収を行うメリットは、以下のとおりです。

・工場全体の燃料が節約できる
・燃料節約により、コストカットが実現できる
・CO2の削減に貢献できる

メリットの産物として「環境に配慮した企業といったイメージがつき、世間からの評判がよくなる」といったメリットもあります。

廃熱ボイラーの種類2つ

廃熱ボイラーには、以下の2種類が存在します。

1.エコノマイザー
2.吸収式冷凍機

初めて聞いた方もいるかもしれませんが、2つの廃熱ボイラーは身近な家電にもよく使用されています。
それぞれの内容についてみていきましょう。

1.エコノマイザー

エコノマイザーとは、「節炭器(せつたんき)」とも呼ばれています。
最も身近な装置であり、ボイラーから発生された排ガス熱で水を温めて暖房などに再利用します。

新しい家であれば、エコノマイザーを利用した暖房設備を整えている物件も多いです。
工場の場合は熱効率が15%程も上がるといわれています。

2.吸収式冷凍機

吸収式冷凍機とは、蒸気を熱源として活用する機器です。
自然界にあるものを利用するため「ナチュラルチラー」とも呼ばれています。

吸収式冷凍機は、以下の手順で再利用が行われます。

1.水を蒸発させて冷水を作る
2.蒸発した水を、塩水を利用して回収する
3.塩水を加熱
4.冷やして水に戻す

4で作られた水は、再度1に利用される仕組みです。

廃熱ボイラーの熱源は5つ

廃熱ボイラーに利用される熱源は、これまで紹介してきたものを含めて5つ存在します。

コークス 石炭を元にした燃料

製鉄所などでよく用いられる

冷却の過程で発生した蒸気を利用する

石油化学製品 石油や天然ガスを作る際に発生するあまりのガス

自工場内で再利用されるケースが多い

硫黄 硫黄を作る際に発生する排ガスを利用した廃熱ボイラー
生ゴミ ゴミ焼却場などを稼働する際に発生する熱
バイオマス 食品加工会社から発生する廃液、製紙工場などで発生する黒液など

再生エネルギーとして活用するまで手間はかかるが、そもそもの処理コストが大きいため結果的にエコになる

ゴミ焼却場の中には、廃熱ボイラーで生産した電気を販売しているところもあります。

熱エネルギー再利用における日本の現状

日本では、消費しているエネルギーの約4割が熱エネルギーといわれています。
そのうち、家庭全体で見ると約60%、産業だけでも56%が熱エネルギーです。
つまり、熱エネルギーを効率よく再利用できれば、温暖化ガスの削減に大きな期待が持てます。

現在、多くの企業で熱エネルギーの再利用が推進されており、取り入れている企業も増えてきました。
一方、課題となっているのが低温・中温の排熱を利用する方法です。
低・中温の排熱を再利用する方法は、現在も実用化を目標に開発が行われています。

まとめ|廃熱ボイラーは地球に優しい技術

「排熱」と「廃熱」の違いに明確な定義はありません。
ただし、一般的に熱エネルギーとして再利用する熱を「廃熱」、利用せずに捨てるだけの熱を「排熱」とする場合が多いです。

廃熱は、再利用によりエネルギー量の削減や地球温暖化防止に効果があると期待されています。
身近な部分で熱エネルギーがどう再利用されているのか、意識して生活するのもよいかもしれません。

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