テフロンとは?特徴やデメリット・使用用途を解説

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テフロンとは?特徴やデメリット・使用用途を解説

テフロンといえば、フライパンや鍋などのキッチン用品の他、最近は靴や防寒着などさまざまな場所で活用されています。テフロン加工した製品は、調理中の焦げや雨雪を弾くなど、生活にとって嬉しいメリットがたくさんあります。身近に使われているテフロンですが、どのように作られて、なぜ「テフロン」という名前が付けられたのかをご存じですか?今回は、テフロンの歴史や特徴、使う上でのデメリットなどについて、詳しく解説します。

テフロンとは?特徴やデメリット・使用用途を解説

テフロンとは

テフロンはディポン社、現在はケマーズ社が製造するPTFE(フッ素樹脂)を原料とした商品名です。日本でもフッ素樹脂で加工された調理道具などをテフロンと呼ぶ機会が多いのですが、実際は「テフロン=商品名」であって原料の名前ではありません。テフロンはPTFE(フッ素樹脂)のひとつで、テフロン発見から50年以上に渡ってさまざまな分野で使用されています。

テフロンの歴史

テフロンを発見したのは1938年、アメリカのディポン社の研究者・ブランケット博士が研究中に発見しました。当時は、テトラフルオロエチレンである炭素とフッ素の分子を使って、冷媒の研究をしていました。実験では、TFE(四ふっ化エチレン)ガスを実験のため、圧力容器に保存。本来であれば、フタを開けた時にガスが発生するはずが、その日は出てきませんでした。ガスが出てこない理由を調べるために容器を見たところ、容器の内側に白い粉を発見。この白い粉がPTFEとなり、その後、研究で発見したディポン社がPTFEを「テフロン」と名付け商標登録しました。
テフロンの名前の由来は、冷媒であるフロン(英名はフレオン)が語源です。テフロンは当時、第二次世界大戦中の軍人用の製品に活用されていました。1945年にディポン社がテフロンを商標登録して、その翌年から民間用向けとして販売をスタート。現在はアメリカのみならず、世界中でテフロンは活用されています。

テフロンであるフッ素樹脂は種類がたくさん

テフロンはフッ素樹脂のひとつであり、テフロンであるPTFEの他にもフッ素樹脂は全部で9種類あります。フッ素樹脂の種類の中でも、身近な製品に使われている代表的な5つを紹介します。

品種 名称
PTFE ポリテトラフルオロエチレン/四ふっ化エチレン樹脂
PFA パーフルオロアルコキシアルカン/四ふっ化エチレンパーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂
FEP パーフルオロエチレンプロペンコポリマー/四ふっ化エチレンー六ふっ化プロピレン共重合樹脂
ETFE エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー/四ふっ化エチレンーエチレン共重合樹脂
PVDF ポリビニリデンフルオライド/ふっ化ビニリデン樹脂

テフロンの特徴は?

フッ素樹脂は種類によって耐熱温度や成形の難しさなどが違うため、目的別に必要な種類を利用しなくてはいけません。テフロンであるPTFEはフッ素樹脂の中でも密度が最も高く、熱や圧力にも強いため、活用する場面が一番多いでしょう。
テフロンは丸めてひとつの塊にすると強度が増し、薄く伸ばすとゴムのように柔軟性に優れるという特徴があります。使い方によってはゴムや金属のような働きを持つため、幅広い用途で使えるのがポイントです。テフロンは、他にもさまざまな特徴を兼ね揃えています。

  • 熱に強い
  • 化学薬品に強い
  • 寒さに強い
  • 粘着性に強い
  • 摩擦力が低い
  • 外的要因による劣化に強い
  • 電気抵抗に強い

テフロンは一度炭素と結びつくと、よほどのことがない限り科学的な分離はしません。また、他の物質と結びつくこともないため、耐薬品性や耐熱性、耐寒性、絶縁性などに優れています。プラスチック製品と異なり、太陽光による紫外線や湿気などによる劣化を受けにくいのも特徴的です。

テフロンを使うデメリットとは?

テフロンは260度の温度の中で連続使用したり、マイナス100度の中でも使用できたりと、さまざまなメリットがあります。しかし、一方で次のようなデメリットもあります。

  • 柔らかい材質のため成形が難しい
  • 価格が高い
  • 衝撃に弱い
  • 耐久力が値段に比例する
  • 放射線によって脆く崩れやすい

テフロンのデメリットは「柔らかい」という部分です。他の物質と違って成形が難しく、また価格が高いという点から耐久性の高いテフロンを求めると値段も高価になります。また、衝撃に弱いため、テフロンを叩いたり擦ったりするとキズやヘコミが目立つのもデメリットでしょう。

テフロンの使用用途

テフロンは、フライパンや炊飯器の内釜、ガスコンロなど生活用品の他、バルブやベアリング、ガスケットといった工業用品として使われています。テフロンであるPTFEは伸縮性や溶融粘度が大きいため、活用できる商品が限られています。加工性はそこまで高くありませんが、最近は衣類などにも使われるケースが増えているので、身近な生活品としても活用していることでしょう。

まとめ

テフロンはケマーズ社(旧ディポン社)の登録商標です。柔らかい性質のため成形性に優れないのがデメリットですが、耐熱性や耐薬性、耐腐食性などメリットが豊富です。使用用途によってテフロンは大きな活用を期待できるため、特徴を知って利用しましょう。

 

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