冷却装置の種類や仕組みを理解して導入メリットを考える
この記事では、施設や工場などで使用する冷却装置の種類や仕組みについて解説します。
作業の都合上、熱が発生する工程がある場合には、冷却装置は必要不可欠なものです。
ここで導入メリットやコストの削減について理解し、導入していくにあたっての注意点をおさえておきましょう。
また現在すでに使用されている方もこれをチェックしておくことで、コストパフォーマンスや使用の仕方などを見直すことができるでしょう。
身近な存在!?冷却装置とは
冷却装置とはその名の通り、ある対象を冷やすための装置です。
しかし冷却装置と一言には言っても、用途によっては大きさも特徴もかなり異なってくるものです。
冷却装置と呼ぶとどういったものか形状が想像しにくいため、どういったところで使われているかよくわからないかもしれません。
しかし、冷却装置は意外と私たちの生活の中にたくさん使われているのです。
例えば身近な冷却装置の例としては車に設置されているものがあります。
車が走るときにはエンジンの駆動が必要ですが、その駆動の際には高温を発するのです。
また車に内蔵されたバッテリーも、熱を加え過ぎると傷んでしまいます。
そうした熱を発する機械部を使用する際には冷却装置も一緒に使われることが多いです。
ほかの例として身近なものを挙げるなら、冷蔵庫が代表的でしょう。
冷蔵庫はヒートポンプ式を使う冷却装置を利用して内部のものを冷やすことができます。
これは熱を暖かい方へと逃がすことで冷やす方式で、クーラーなども同じ方法を使っています。
このように、普段意識はしていませんが冷却装置は私たちの身近にあるものなのです。
冷却装置の種類と仕組みを解説
冷却装置は私たちの生活に馴染みの深いものです。
ここからは、冷却装置のさまざまな冷却の仕組みのそれぞれについて確認します。
【空冷式熱交換器】の仕組み
冷却装置の中でも大型の施設で使われることが多いのが空冷式熱交換器と呼ばれる方式のものです。
この方式はまわりの空気を冷媒として使います。
構造としては、管束とファンで構成されており、冷やしたい対象を管束から送り込み空気との温度差で冷却を行う方法を用います。
この空冷式熱交換器は、ゴミ焼却場など、多くの対象を冷やしたい、大規模な空調が必要な場合などによく用いられています。
【水冷式熱交換器】の仕組み
私たちにとって普段から最も触れることが多いのが水冷式熱交換器方式の冷却装置でしょう。
これは液体を利用した冷却装置で、一定温度以下の液体と冷却対象となる液体が循環することによって冷却を行う仕組みです。
この方式の特徴は、2液が循環して冷やすため効率よく冷却を行える点です。
先に例として出した車はこの水冷式熱交換器を利用してエンジンなどの冷却を行っています。
冷却塔【クーリングタワー】の仕組み
クーリングタワー、日本語で冷却塔と呼ばれる冷却装置は、特に大型の施設で利用されることが多い方式です。
工業用水を利用した冷却方法で、外気と循環水を触れさせることによって対象を冷やします。
循環水が外気に触れると蒸発し、それによって気化熱が起こります。
気化熱が起こることによって液体の温度が下がるため、これを利用しているのです。
チラーの仕組み
チラーは語源が英語のchillであることからも伺えるように、冷却装置の一種です。
冷却塔と同じように、循環水を利用した冷却法の一種ではありますが、こちらは温める仕組みも持っているのが大きな特徴です。
チラーの冷却方法は、冷媒が循環している冷凍サイクルと冷水が循環する循環水のサイクルがあり、それらによって冷却を行っています。
冷水式は冷空式よりも冷却効率がよいため、コストよく冷却を行うことができます。
導入によるメリットは?
冷却装置を導入することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。
まず冷却装置を利用することは、施設内の環境整備につながります。
冷却装置の利用がない場合、使用している器具の温度が上がってしまうだけでなく予期せぬ不具合につながってしまうことがあります。
また冷却装置がなければ、高温になるために正しく使えない機械もあるでしょう。
また環境整備は機械のためだけではなく、その施設で働く人々のためにも重要です。
特に大きな規模の施設内においてはどの冷却装置を使うかも環境整備に関わるものです。
大きな施設においては、冷水式の冷却装置が使われることが多いですが、それは冷水式の方が冷空式の冷却装置よりも排気が少ないからでしょう。
排気が少なくクリーンな環境は職場環境改善や効率のアップにもつながります。
自分が導入する場所に適切な冷却装置を選ぶことも必要です。
まとめ
今回は冷却装置の仕組みを詳しく説明してきました。
冷却装置はさまざまな種類があるために、どこでどれを使うかが重要になってきます。
適切な場所で使うことによって施設の環境改善や、効率アップにもつながるので選定が必要です。
今後導入する際にはどれが適しているかを今回の記事を参考に選んでみてください。